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特別な才能はない、でも強い好奇心はある。【Venture Stories: Phase.2】

ひとまず栂池エリアの現状を見てまわる。


かくして、EARTHMANS初となるリゾートエリアでのホテル運営の話が本格化してきた。

そのためにも、まずはこの地域のことを知ろうと、鹿島社長以下EARTHMANSの面々は、ホテル周辺を歩いて情報を得ることにした。

このエリアの宿泊施設は、昭和後期に流行したコンクリートむき出しのモダン建築やチロル風のペンションが多い。ちょうど昭和後期に起こったスキーブームの頃に建てられたか、もしくは改装・改築したものだろう。

それ以降、スキー客の減少とともに建物に手を加えず現状を維持したまま営業しているホテルがほとんどなのだそうだ。


OTAからの送客には頼らず、これまで行ってきた “自分たちのスタンダード” を貫き営業しているホテルも多いと聞く。

ホテルの経営は自分たちの代で終わりにしようと思っていて、新たな集客のツールを増やす必要がないと考えているのだろうか。


そのため栂池エリアの宿泊施設の経営者一族の中にも、村の外に働きに出ている人は少なくない。


こうして、ホテルオーナーの高齢化と後継者不足が起こっている。


バスのロータリーからまっすぐのびるメインストリートの両サイドに隙間なく建ち並ぶ飲食店やスーベニアショップ。

そういった施設が徒歩圏内に集約され、街としては非常にコンパクトだが、逆にそれが観光しやすくて良い。


ポテンシャルはあるが、前述したように現在多くのスキー場周辺の集落が抱える問題が同様に栂池エリアの発展も妨げている。


これは、なんとかしたいよなー。

このエリアを、世界中の旅行客が行き交う So Cool な場所にしたい。


もちろん、新しいアクションを起こすばかりではなく、このエリアで同様の悩みを抱えている宿泊施設や店舗と協力して、従来の栂池の魅力に新たな付加価値を加えてたくさんの人が集まるまちづくりを推進し、栂池エリア全体で既存スタッフを雇用し続けられる環境を作りたい。


しかし、現在でも全国各地の町村で地域振興を推進する改革派と現状維持を求める反対派の意見がぶつかり合っているという話も聞く。


ましてや、これまで集落全体が現状維持で通してきた環境を外から来た人間が突然変えようとするのだから当然反対派が現れることも想定内。


そんな覚悟もたずさえて栗田オーナーの待つリゾートホテル栂池へ向かった。


邂逅、そして予想外の反応。

ホテルを案内されて、まず建物の予想以上の大きさに驚愕。旅館棟とホテル棟、そしてそれをつなぐアネックスからなる巨大な宿泊施設に、目の前のゲレンデまで直結している広大な敷地。


率直に言うと、想像を超えるスケールにみんなビビった!

さっきまで考えていた村おこしのことなんて後回しにして、このホテルのことだけ考えないと手も頭も回らないほどのサイズ感。



改めて、こんな大きな宿泊施設を運営していけるのか。


でも、そこがまた面白そう。EARTHMANS全員が同じマインドだった。

そう、なぜかその場にいた全員が無理だとは思わなかった。

可能性が不安に勝っていた。


スキー場周辺を見てまわって危機感も感じたが、それと同じくらいか、もしくはそれ以上に魅力も感じた。


自分たちが起こすアクションをきっかけに、たくさんの人が訪れる栂池エリアを作りたいという気持ちがふつふつと沸いてきていたのだった。


——ホテル、ボクたちがしっかり引き継ぎますよ! 栂池も盛り上げます!


リゾートホテル栂池の栗田社長に気持ちを伝えた。


「私たちも新しい視点で物事を見ることができる方が、この地域に新しい風を吹き込んでくれるのを期待しているんですよ。」

と、栗田社長。


おぉ、歓迎してくれているぞ。

ありがたい言葉にEARTHMANS一同、俄然士気が上がる。



さて、一気にやらなければならないことが増えた。

栂池で一緒にアクションを起こす仲間も集めよう。

馬場 裕一郎
馬場 裕一郎

長野県在住。出版社の編集を経てライターに。 自然豊かな場所で生活しているため、アウトドアやスローライフに関する記事に携わることが多いが、趣味はもっぱらマンガを読むこと、と比較的インドア派。 スマホには常時7つ以上のコミックアプリがインストールされている。