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伝統と文化が残る、山間の集落にある道の駅中条

長野市の山間部にある中条地区。山間部という地域柄、独自に発展してきた食文化と、虫倉山の山姥(やまんば)歴史が有名な場所です。

稲作に適さなかった地域の伝統食文化。

この地域は、急峻な地形や寒冷な気候ゆえに米の栽培に適しませんでした。そこで米の代わりに作られていたのが、気温の変化にも強い小麦。そのため、小麦粉を使った独自の食文化が培われてきました。

中条地区にある『道の駅中条』では、この地域の伝統的な郷土料理を食べることができます。ここで食べられる郷土食の中でも、代表的なのが、《おぶっこ》や《にらせんべい》。

おぶっことは、地元で穫れた新鮮な野菜をふんだんに使った信州味噌仕立ての汁に、平打ち麺が入った煮込みうどん風の麺料理。

つるつるでもちっとした麺と、信州味噌ベースに野菜のやさしい甘みが溶け込んだ汁が絡み合って絶妙です。この麺のつるつるの喉越しと、もちっとした食感。使われている小麦粉の種類に秘密があるんだとか。

道の駅中条が独自に研究を重ね、採用したのが信州ブランドの小麦《ユメセイキ》。ユメセイキは、小麦に含まれるパサパサとしたデンプン質やアミロースの割合が低く、逆に粘り気の強いアミロペクチンを多く含むため、麺類には最適な弾力ある食感となめらかな喉越しが生まれるんだそうです。

もうひとつ、この地域で独自に発展した郷土食といえば、にらせんべい。

長野県民のソウルフードとして、特に県北部で食べ継がれている料理ですが地域によって形は様々。いちばんオーソドックスなのはチヂミのようなにらせんべいですが、ここ中条地区のそれは薄い生地に特製の味噌がサンドされていて、さながらクレープのよう。食欲をそそるにらの香りと甘辛い味噌のアクセント、生地の薄さも相まって、いくつでも食べられてしまいそうです。

道の駅ならではの産直野菜や地産品も充実。

道の駅といえば地元で穫れた新鮮な産直野菜を購入できるイメージ。もちろん道の駅中条でも、地元農家さんが朝のうちに収穫した新鮮な野菜が並びます。

そのほかにも寒さが厳しい地域ならではの保存食の代表格である漬物は種類も大変豊富。ほかの道の駅に比べても、漬物のラインナップはかなり充実しているように感じます。

また、中条地区で独自に発展してきた笹おやきや、先ほど紹介したにらせんべいのテイクアウト、旬のフルーツを使ったソフトクリームなど、ここでしか買えない商品も多数あるようなので、立ち寄る価値はじゅうぶんにありそうです。

世にもめずらしい、優しい山姥。

この中条地区で伝統食と並んで有名なのが山姥伝説。

山姥というと怖い妖怪というイメージがありますが、ここ中条地区にある案内標識に描かれている山姥のイラストを見ると、子どもをやさしく抱く母親(おばあちゃん?)のようで、頭にツノこそありますが、全く怖いという感じはしません。



​​​​​​​と、いうのも中条地区に伝わる伝説では、人を襲ったり食べたりするような悪い山姥ではなく、優しい子育ての神様として語り継がれているんです。

子どもの健やかな成長を見守ってくれたり、人々の生活に繁栄をもたらしたり、日照り続きの村に雨を降らせたり、この地域に生息する蛭(ひる)に血を吸わないように言いつけたり。もはや蛭に血を吸わせないように言いつけるなんて、良い人の範疇を超えて、神対応のレベルです。

本来、恐ろしい妖怪として忌み嫌われることが多い山姥すら敬い、助け合う存在として語り継がれているところに、この地域に住む人々のやさしさや思いやりを感じます。

聞いているだけで、心が温かくなるストーリー。ちょっとホっとしたいときに、この道の駅を訪れておぶっこやにらせんべいを食べて、そこから山姥伝説のある虫倉山まで少し足を延ばしてみてください。

日本の原風景が残る集落のヘリテイジに触れて、心も整います。


■ SHOP DATA
住所:長野県長野市中条住良木1704
電話:026-267-2188
時間:9:00〜17:30
休日:無休
HP:http://nakajyo-actio.jp/



馬場 裕一郎

馬場 裕一郎

長野県在住。出版社の編集を経てライターに。 自然豊かな場所で生活しているため、アウトドアやスローライフに関する記事に携わることが多いが、趣味はもっぱらマンガを読むこと、と比較的インドア派。 スマホには常時7つ以上のコミックアプリがインストールされている。

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